住宅ローン減税とは?(2018年度版)連載2回目

前回に続き、一般住宅(認定住宅以外)について、この住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の内容をくわしく見ていきましょう。

住宅ローン減税(住宅借入金特別控除)の概要

一般住宅(認定住宅以外)における住宅ローン減税をもう少し詳しくまとめたのが以下の表となります。

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)(一般住宅)の制度概要

消費税の適用区分 消費税8%または10%が適用の場合 左記以外の場合(※)
控除対象借入限度額 4,000万円(認定住宅の場合:5,000万円) 2,000万円
最大控除額 (年間控除額) 400万円(40万円)認定住宅の場合:500万円(50万円) 200万円(20万円)
控除率 (各年の年末の住宅ローン残高の)1%
控除期間 10年
・適用期間(居住開始日等):平成26年1月1日~平成33年12月31日 ※左記以外の場合とは、個人間売買で中古住宅を取得した場合が該当。(個人売買は消費税非課税のため)

 
ここで注意が必要なことは最大控除額400万円という金額です。全員が400万円の減税を受けられるわけではなく、あくまで最大値となり中には対象となる人もいるということです。

それでも、標準的なケースで200万円前後の減税効果は期待できますので、絶対に忘れてはいけない制度といえます。

住宅ローン減税の仕組みと手続き

では次に、住宅ローン減税とはどういうものか。その基本的な制度の仕組みについて確認していきましょう。

仕組みを簡単に言えば、その年に納めた所得税のうち、住宅ローンの年末残高などに基づいて計算した一定額が減税(控除)され戻ってくるというものです。

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住宅ローン減税は税額から直接控除される

[textmarker color=”e92100″]この制度の最大のポイントは、「所得控除」ではなく「税額控除」であるという点です。[/textmarker]

住宅ローン減税のイメージ(給与収入の場合)/年間

一般的になじみがあるのは、配偶者控除や生命保険料控除ですが、これらは収入から控除される「所得控除」なので、課税所得が減少する仕組みです。よって、その減少した所得額に税率をかけた分の税金が課税されなくなります。

一方、住宅ローン減税は、通常通り所得税を算出した後で、税額から直接差し引く「税額控除」という仕組みのため、戻ってくる税額が大きく、非常に重要な減税制度となっているのです。

[textmarker color=”e92100″]住民税も控除される[/textmarker]

また、場合によっては、所得税だけでなく住民税も控除されることになっています。

所得税と住民税の控除のイメージ(年間)

住宅ローン控除の額の算出方法は後ほど説明しますが、その額はその年の住宅ローン残高に応じて、所定の方法によって算定します。

そこで、所得税を控除してもなお引ききれない額がある場合、つまり、所得税よりも算出した住宅ローン控除可能額が上回る場合については、その超えた分について翌年の住民税から控除(上限あり)されることになっています。

そして、[textmarker color=”e92100″]この控除が10年間継続する[/textmarker]ことになっています。

住宅ローン控除の継続イメージ

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どのように手続きすれば税金が戻ってくるのか?

手続きは、居住した年の分の所得税について、初回のみ翌年に確定申告書を提出します。

サラリーマンの方であれば、所得税が毎月のお給料から天引きされていますので、確定申告で住宅ローン控除分を差し引いた税額を計算しなおし、払いすぎた分の税額が還付されることになります。

翌年以降は「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を会社に提出することで、年末調整で給与の支払いと同時に戻ってくることになります。

一般的には、会社から、生命保険料控除申告書の提出を年末に求められると思いますが、それと同じタイミングで提出が求められることになります。

また、確定申告や年末調整の手続きについては、それほど難しいことはありません。

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住民税の手続きは?

住民税の控除については、一般的には市町村に住民税の申告手続き等をする必要はありません。

前述の所得税の申告を毎年することで、翌年度の住民税は控除額を差し引いた後の額が天引きされることになります。

次回では、住宅ローン控除額の算出方法の内容等をくわしく見ていきましょう。