住宅ローン減税とは?(2018年度版)連載1回目

住宅ローン減税、基礎知識

家を計画している方にとってはもはや常識とも呼べる住宅ローン減税、しかしながら、やはり一生に一度といえる計画のため以外なほどに知らない方が多く質問が多い制度となっています。

現状では平成33年12月31日までの完成入居が条件となっており、まだまだ先のような印象もありますが、家を計画する方にとって非常に重要な制度のため、改めて制度の概要を確認してみたいと思います。

まず名称ですが、通称は「住宅ローン減税」、正しくは「住宅借入金等特別控除」といいます。他にも、住宅ローン控除や住宅減税など様々な表現が使われますが、一般的には「住宅ローン減税」を指して用いられています。

所得税減税の全体像は?税の全体像

それでは次に、「住宅ローン減税」を含む所得税制度全体を見渡してみましょう。

ここで紹介する「住宅ローン減税」(住宅借入金等特別控除)以外についてはどのような種類があるのでしょうか。利用可能な制度をしっかりと抑えるためにも、まずは全体を把握しておくことも大切です。

住宅ローン減税には他にどんな種類があるのか

住宅ローン減税は、住宅の取得や増改築で10年以上ローンを組んだ場合に利用できる制度と、特定のリフォームで5年以上のローンを組んだ場合に利用できる制度の2つに大きく分けられます。

また、住宅ローンを組まなくても減税が受けられる投資型減税というのがあります。これら全体を新築とリフォームに分けると以下のようになります。

新築・取得時における所得税減税制度一覧

制度の通称 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除) 投資型減税(認定住宅新築等特別税額控除)
ローンの要件 ローン期間10年以上 なし(ローン利用あり・なしにかかわらず適用可能)
一般住宅 ○適用可能
認定長期優良住宅 ○適用可能
認定低炭素住宅
減税の概要 最大控除額(総額):400万円(認定住宅は500万円)控除期間:10年 最大控除額:65万円(認定住宅のみが対象)控除期間:1年
国税庁リンク 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合 認定住宅の新築等をした場合
適用期間(居住開始日等):平成26年4月1日~平成33年12月31日

 

増改築・リフォーム時における所得税減税制度一覧

制度の通称 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除) リフォームローン減税 (特定増改築等住宅借入金等特別控除) 投資型減税(省エネ特定改修特別税額控除)
ローンの要件 ローン期間10年以上 ローン期間5年以上 なし(ローン利用あり・なしにかかわらず適用可能)
①~④以外の増改築工事 ○適用可能 △下の②、③または④と併せて行う場合に適用可能
①耐震 ○適用可能
②バリアフリー ○適用可能
③省エネ
④同居対応 △※1
減税の概要 最大控除額(総額):400万円 控除期間:10年 最大控除額(総額):25万円 控除期間:5年 最大控除額:25万円(太陽光設置の場合:35万円)控除期間:1年
国税庁リンク 増改築等をした場合 借入金を利用して省エネ改修工事をした場合
借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合
省エネ改修工事をした場合
バリアフリー改修工事をした場合
適用期間(改修後の居住開始日等):平成26年4月1日~平成33年12月31日
表内の額は消費税8%または10%適用時の額
※1:増築、改築、大規模の修繕又は模様替え工事、もしくは、家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事に該当の場合に適用が可能。

 

上表に示すように、ローン年数や、現金かローンかといった支払方法によって利用できる減税制度が異なるため、工事の内容や金額、支払方法に合わせて制度を選択していく必要があります。

なお、戸建て住宅を新築、あるいは新築や中古の戸建て住宅・マンションを購入する場合は、上表の住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)を利用するのが一般的です。(増改築や大規模なリフォームでも利用可能)

通常の住宅取得のケースでは10年以上ローンを組めば、他の要件も特に難しくはないため、利用がしやすく、最も大きな控除が受けられる制度になっています。

次回は、一般住宅(認定住宅以外)について、この住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の内容をくわしく見ていきましょう。